長時間労働の削減

 

厚生労働省が昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果によると、全体の67.3%にあたる5,714事業所で労働基準関係法令の違反がありました。主な違反内容としては「違法な時間外労働があったもの」が2,802事業所と全体の33.0%を占めています。

 

また、同じく厚生労働省が取りまとめた平成30年度における賃金不払い残業の是正結果では、是正企業数は1768社に達していました。(全国の労働基準監督署が実施した監督指導を受けて同年一年間に割増賃金が労働者に遡及支払いされた事案のうち、支払額が100万円以上のケースを集計しています。)なお、このうちの1割以上の228社で支払額が1000万円以上に及んでいます。

 

 

 

昨今多くの中小企業において人手不足の様子が見受けられ、結果的に労働者が長時間労働や残業代不払いに晒される事態を引き起こしています。経営者の中には、労働時間に関する法律を守れているかどうか不安な方も多いでしょう。

 

 

 

そこで、労働時間対策の具体的推進に関する厚生労働省通達をご紹介したいと思います。

 

 

 

労働時間の適正な把握

・始業および終業時間の時刻をタイムカードなどの客観的な記録により適正に記録すること

・自己申告制の場合、実際の労働時間と合致しているかどうか必要に応じて実態調査を行う

 

時間外・休日労働に関する協定届の記載内容

・時間外労働の場合の事由が「業務上やむを得ない場合」などの曖昧な内容になってしまっていないか

・協定当事者である労働者の過半数労働者が法律の要件を満たしているか

 

労働時間制度の適正な運営

・裁量労働制を不当利用し、長時間働かせて残業を支払わないなどの違法な運用を行っていないか

 

これらを参考に、今一度社内の法改正への対応状況をチェックし、長時間労働対策を行っていきましょう。